高齢者だけの住宅は、日常が大きく変わるようなことはあまりないでしょう。
しかし二世帯住宅や子育て世代の家になると、子供の成長によって生活の時間や雰囲気が少しずつ変わるため、間取りが原因でトラブルが起こってしまうことも。
家族みんなが快適な毎日を送れるように、しっかり間取りの話し合いをすることが大切です。
洗面所と洗濯物を干す場所が遠かったり、キッチンと食材を保管するパントリーが離れていたりすると、家事をするときの動線に無駄が生まれてしまいます。
もちろん延床面積の関係で動かせない部分もありますが、家事の動線をできるだけ繋げることで、家事をする担当者の負担を軽くすることが可能です。
また、お客さんに水回りが丸見えになるような間取りは避ける、プライバシーに配慮して廊下を設けるなど、様々な工夫が必要になります。
家族が増えるたびに荷物は倍増します。特に子供は服だけでなく、授業で作った作品などを並べることもあるかもしれません。部活をするようになれば道具を揃えるようになるなど、成長するに連れて物も増えていくのです。
他にも、掃除道具や季節の家電、日用品なども予想以上に場所をとります。こういった収納関係の失敗は多いものです。
様々なものを収納できるようにウォークインクローゼットを設置するなど、収納には余裕を持たせる必要があります。
間仕切りを少なくすることで開放感を得られますが、空調に問題が出てくるかもしれません。吹き抜けの部屋やリビング階段を設けてしまうと、冷暖房が効率的に機能せず、シーリングファンや床暖房を取り入れるなどの対応に迫られる可能性もあります。
注文住宅のほとんどは、自由に間取りを決められます。それぞれの希望を建築士に伝えて設計図に起こしてもらい、何度も打ち合わせを重ね、修正して最終的な形にしていくのです。
打ち合わせの際は誰かの独断で決めるのではなく、家族みんなの意見を尊重することが大切です。実際に家事をする人やその部屋を使う本人の意見、将来的な見通しも含めて考える必要があります。
家を建てるときは、誰でもそれぞれ思い入れがあります。ただ、その思い入れに当てはまるのは自分だけで、他の家族に受け入れてもらえるとは限りません。
間取りを決めるときに衝突して、せっかくのマイホームを建てる楽しい計画が、家族に溝を作ってしまうことも否定できないのです。そうならないためにも、「これだけは譲れない」という場所があるのなら、家族の理解を求める説明をしましょう。
後になって「やっぱりしておけば良かった」「だから言ったのに…」という状況にならないためにも、快適に過ごせる我が家を手に入れる手段の1つとして、丁寧な話し合いで解決策を導き出しましょう。