住みやすい街として人気の高い京都で注文住宅を検討している方は多いと思います。
せっかく人気エリアにマイホームを建てるのならば、介護や老後の暮らしに最適なバリアフリーを意識した家づくりにしませんか?
こちらの記事では、注文住宅をバリアフリーにするならおさえておきたい5つのポイントをご紹介します。
見落としがちな玄関まわりですが、出入りの際に必ず通る重要な場所です。
家族全員が安全かつ快適に過ごせる家づくりは玄関まわりから始めましょう。
杖をついたり車椅子で移動したりするときのために、道路から玄関までのアプローチ部分にはスロープをつけます。また、階段の段差は10㎝以下程度まで低くするとよいでしょう。
さらに、玄関の中に手すりやベンチを設けると、靴の脱着が楽になります。
一人で歩ける間は気にならない廊下の幅も、車椅子を使うようになると狭く感じるものです。親の介護が必要になったときや、自身が高齢になったとき、廊下の幅が狭いと快適とはいえません。
車椅子が通れる廊下の幅は、最低でも90㎝以上必要だといわれています。介護者と同居することを考えるのであればもう少し余裕がほしいところ。廊下で車椅子の方向転換することも考慮すると、150㎝程度の幅があることが理想的です。
体が不自由な方が頻繁に移動するのは、そうでない人以上に負担が大きいといえます。
家の中でもっとも訪れる頻度が多いといってもよいのが「トイレ」。一日の中で最も多く過ごす寝室からの動線を考え、トイレは極力、寝室の近くにつくるようにしましょう。
介護する人の負担を減らすためにも、車椅子でも入れる広さにし、手すりを設けることがポイントです。バリアフリー法で定められているとおり、90㎝以上の幅をとることをおすすめします。
さらに、壁にリモコンが付いたウォシュレットを設置すると操作が簡単です。
最近では、各ユニットバスメーカーがバリアフリー対応の商品を数多く発売しています。高齢者が浴室で死亡事故を起こすケースが多いことが背景にあるといえます。
マイホームが危険な場所にならないような浴室づくりを意識しましょう。
出入り口フラットタイプにし、段差をなくすことでつまずきを防止。転倒を予防するためにも、バスタブや床は滑りにくい素材を選ぶことが大切です。冬場のヒートショック対策として、足裏に冷たさを感じないような素材であればより安心です。
浴室内には手すりを多めに設けること、またぎやすいようバスタブの高さは低めにすること、介護者が一緒に入れるよう広めにすることなどがポイントです。
立って調理ができるうちはよいですが、椅子に座った状態もしくは車椅子のまま調理しなければならなくなったとき、高すぎるキッチンでは不便を感じてしまうことでしょう。
バリアフリーを考えたキッチンの高さは70~85㎝前後だと考えられます。この程度の高さのキッチンを選ぶ方法もありますが、はじめから高さ調節できるキッチンを設置すれば、作業する人に合わせることができて便利です。
また、リビングのテーブルにも同じことがいえます。一般的なテーブルの高さは70㎝前後です。車椅子のまま使用可能ですが、車椅子の大きさによっては使用不可な場合があります。そのため、高さ調節できるテーブルを設置するとよいでしょう。
キッチンやリビングにも適所に手すりを設け、出入り口の段差をなくすことで高齢者にやさしい空間になります。
バリアフリー注文住宅の施工事例をもとに、バリアフリー注文住宅の特徴を紹介したいと思います。
バリアフリー住宅というと、「段差が低い・少ない住宅」というイメージを持っている方も多いでしょう。ですが、こちらの住宅は敢えてスキップフロアーにして、段差を設けているバリアフリー住宅です。
スキップフロアーなので段差の距離が短く、障害のある方や介護が必要な方でも、問題なく使用できる場合があります。また、リビングにはエレベーターも設置されているので、スキップフロアーが利用できない状況にも対応可能です。
バリアフリー住宅で欠かせない工夫と言えば、車椅子でも移動ができるスロープと、車椅子が通れる広い廊下です。こちらの住宅でも当然配慮されており、中二階から二階、玄関から車庫をつなぐスロープが設けられ、トイレは車椅子ごと入れるように十分な間口の広さが取られています。
スキップフロアーを設けながらもスロープで移動の補助をするなど、介護が必要な人も、そうでない人も、誰もが暮らしやすい住宅を実現させています。
敷地面積 | 155.15平方メートル | 間取り | 不明 |
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延べ床面積 | 211.63平方メートル | 金額 | 5,000万円台 |
こちらの住宅では、車椅子での生活が前提であったため、完全バリアフリーの住宅にして、移動の簡単さを追求しています。リビングから洗面所、トイレなどに繋がる空間はすべて段差をなくしており、一人で車椅子を移動させなければならないときでも、操作のしにくさを感じることはありません。
また、玄関の段差も極力減らしており、上がり框は5センチに満たない程度の高さに設定。車椅子に乗る方に与えられる衝撃を軽減するだけでなく、介助者の体力を無駄に使わせることもないでしょう。
車椅子での移動は、段差が少ないだけでは成り立たない場合もあります。例えば、車椅子に乗りながらドアを開けることは大変なことなので、こちらの住宅のようにすべて引き戸になっていると、一人での移動も容易となります。
さらに、間仕切りの数を少なくして、室内の空間を広く取れば、それだけ車椅子の操作もしやすくなるので、一つの部屋が広々としているということも条件の一つです。バリアフリーの住宅は、それぞれの方の体調や状況に合わせて、適切なデザインにするということが大切でしょう。
敷地面積 | 69.56平方メートル | 間取り | 不明 |
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延べ床面積 | 115.93平方メートル | 金額 | 2,750万円 |
こちらの住宅は2階建てとして造られていますが、2階に上るのが大変になったときに備えて、1階だけで生活のすべてが完結させられるように工夫されています。水回りやリビングなどはもちろんのこと、寝室も全て1階に配置しているので、将来的に移動がしにくくなった場合も安心です。
1階部分は多くの部屋が存在しますが、部屋間の廊下もなるべく少なくして、「移動のしやすさ」を追求した住宅に仕上がりました。
1階部分にすべての部屋をまとめている住宅ですが、ご夫婦二人で住んでいるということから、プライバシーが守られるような設計にもなっています。
住宅の中心には主婦室を設けることで、奥様が一人で休憩をすることも可能。また、主婦室はダイニングキッチンの位置とも行き来しやすい位置となっているため、家事のための部屋としても使えるでしょう。
このように、無駄がなく、機能性の高い間取りにすることで、バリアフリーであること以上の使い勝手を実現しています。
敷地面積 | 95.22平方メートル 間取り | 間取り | 不明 |
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延べ床面積 | 132.07平方メートル | 金額 | 3,850万円 |