ここでは、京都で注文住宅を建てる際に覚えておきたいルールや土地を上手にいかすポイントをご紹介します。
京都の街並みは、風情のある家屋が多く残されています。そのため、住宅をはじめ新しく注文住宅を建てる際にはその風情と景観を守ることが必要になります。
京都の市街地は景観地区に指定されているため、景観地区に注文住宅を建てるならその景観を壊さないようにしないといけません。
例えば、屋根の形や色、壁の色や材質など、細かな規制がありそれに沿った家づくりを行う必要があります。ですから、土地を購入する前に景観地区の指定ルールやその他の注意事項を確認しておく必要があります。
特に金閣寺や銀閣寺といった歴史的な観光名所付近は、周りと比べて規制も厳しくなります。この場合、自分好みの注文住宅を建てたいという希望は、規制によって叶えられない可能性があります。
そのため、土地柄や周辺地域の良し悪しだけで購入するのは避ける必要があるでしょう。
ただし、京都全域が景観地区に指定されているわけではありません。そのため、土地の選び方によって自分の理想とする注文住宅を建てることも可能なのです。
地域によって注文住宅に関する規制が違いますから、土地や周辺の情報、注文住宅に関する情報を集めてから自分の家を建ててもらいましょう。
具体的に、景観地区とその規制内容の一部を紹介しますので参考にしてください。
景観地区のデザイン基準には、共通基準と地区別の基準があります。
共通基準で定められている基準の一部をご紹介します。
地区別基準では,地区の特性に応じて,以下のデザイン基準を定めています。
地区ごとの基準については、かなり細かく量も膨大ですので、京都市の窓口やホームページで公開している基準(建築物等のデザイン基準(景観地区 美観形成地区 建造物修景地区)を確認してください。
更に、地区によっては,低層,中層,高層の規模別にデザイン基準を定めている場合もあります。個人住宅で関係する基準は低層建築物ですので、各地区の細かい基準を知るには、低層建築物の部分を見ましょう。
京都市では、景観地区は美観地区と美観形成地区に分けられています。
さらに美観地区と美観形成地区は、地域の特性に合わせて山ろく型など地区類型別にそれぞれ6つの美観地区・2つの美観形成地区に分類されています。
大まかに、どの地区がどの景観地区に分類されているのかについて確認しておきましょう。詳しい地図を確認したい場合は、「京の景観ガイドライン 【建築デザイン編】平成28年11月改訂版」を確認してください。
(1)山ろく型美観地区
山すその豊かな自然に調和することを求められる地区です。
(2)山並み背景型美観地区
山並みが背景となっている風景に調和することを求められる地区です。山ろく型よりは街中になりますが、山が近く感じられることが特徴。
(3)岸辺型美観地区
良好な水辺(京都市においては川辺とほぼイコール)近くの景観と調和することを求められる地区です。さらに、一般地区と歴史的町並み地区に分けられます。祇園や岡崎などが歴史的町並み地区に指定されています。
《一般地区》
《歴史的町並み地区》
(4)旧市街地型美観地区
歴史的市街地内で典型的な京町家が良く残っている地区。西陣や御所周辺など、いわゆる洛中あたりにプラスして伏見も指定されています。
(5)歴史遺産型美観地区
世界遺産や伝統的な建築物など、いわゆる「京都らしい」歴史遺産が残っている地区。有名な観光スポット周辺が多いことが特徴です。
(6)沿道型美観地区
京都の中でもメインの大きな通り周辺が指定されています。通り沿いはある程度中高層建造物を許容しつつも一本中に入ると趣のある沿道の景観が残っている、京都の中心街が指定されていると考えて良いでしょう。
美観形成地区は、景観地区に比べて比較的最近(昭和初期)に街並みが形成されている地区や美観地区に接する幹線道路沿い、眺めの良い地点があるなどの理由で選ばれている地区です。分かりやすく言うと「これから美観を形成しましょう」ということですね。市街地型と沿道型に分かれています。
(1)市街地型美観形成地区
すでに市街地が形成されていて、良い景観を形成していくことを目的とする地区。
(2)沿道型美観形成地区
大きな幹線道路が指定されていて、これから美観を形成していくことを目的としている地区です。
参考:
京の景観ガイドライン 【建築デザイン編】平成28年11月改訂
にリンクのあるhttp://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000146/146248/gaidorainarc.pdf
建築物等のデザイン基準(景観地区 美観形成地区 建造物修景地区)
建造物修景地区とは、景観地区及び風致地区以外の市街地の区域で、高度集積地区を除いた地区のことです。景観地区に比べてゆるやかな景観規制をかけ、市街地の景観を守っています。
こちらも共通基準と地区別の基準があり、共通基準については、景観地区とほぼ共通ですが、以下の点に違いがあります。
建造物修景地区は4地区に分かれていますので、こちらも地区を確認しておきましょう。
(1)山ろく型建造物修景地区
山すその自然に調和した景観を形成する必要のある地区です。
(2)山並み背景型建造物修景地区
三方の山並みが美しく見える場所で、山並みに調和した景観を形成する必要のある地区です。
(3)岸辺型建造物修景地区
水辺に調和した美観を形成する必要のある地区です。
(4)町並み型建造物修景地区
地域ごとの景観を活かした美観を形成する必要のある地区です。
参考:建築物等のデザイン基準(景観地区 美観形成地区 建造物修景地区)
ここでは、注文住宅に関する情報や住宅を建てるうえで気をつけたいポイントなどのお役立ち情報を紹介していきます。これから自分の家が欲しいという人、自分のこだわりの家を建てたいという人は一度目を通しておくことをおすすめします。
京都には入り組んだ地域もあり、広い土地を購入することが難しいこともあります。このような場合は、狭い土地でも注文住宅を建てることができる狭小住宅がおすすめです。
土地が狭くても空間を有効活用できますし、土地代も安くつくのでメリットが多いです。
京都のような地価の高い地域でも、ローコスト住宅ならば1000万円台から注文住宅を建てることができます。ローコストといっても品質が悪いわけではありません。
ローコスト住宅が可能な理由とどのような間取りが実現できるのかが知りたい方はこちら。
>京都でローコストな注文住宅を実現するには?間取り例も紹介!
IoT推進都市のひとつ、京都で省エネ住宅を建てるならスマートハウスがオススメです。スマートハウスは消費電力の見える化や省エネの自動化、太陽光発電の電力量チェックなど、省エネに特化したIoT住宅です。
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